走行中に音がするという事で入庫となった、スズキキャリィトラック(DB52T型)。
試運転してみると、うなり音のような音がします。
普通良くあるのが足回りのハブベアリングからの異音です。
確認のため車両をリフトアップ。
空転させ音の発生源を調べると、どうやら足回りでは無く、ミッションの内部からしているようです。
ギア自体はすべてのポジションにちゃんと入りますし、またギアオイルにも減り汚れ、鉄粉等も見当たりません。
音の感じから推測するとギア関係というより、ベアリング関係のような気がします。
ん~これは大変な修理になるかも、と思いながら、ひとまずトランスファケース(4WDなのでトランスファが有ります)を分解してみました。
トランスファ内にもベアリングが使われていますので、あばよくば・・の期待を込めてベアリングを確認。
が、異常無し。
ん~残念。
やはりミッション内部のようです。
と言う事でさっそくミッションを車両から降ろします。
トランスファケースを取り外した後、この車のミッションの場合はミッションを半分に開きます。
まるでアジのひらきみたいですね。パカッ(笑)
こちらが音の原因がありそうなメインシャフト。
ケースとメインシャフト受けの前後にベアリングが使われているのがわかります。
ケースよりメインシャフトを取り外し、ベアリングに異常がないか確認。
すると、写真の指で示したベアリングにゴリゴリとした感触がありました。
どうやら原因はこのベアリングのようです。
原因がわかったところで部品を注文。
メーカー手配だったため2日後に部品が入荷。
ギア類を順番に取り外していき、ベアリング交換を行います。
こちらが問題のベアリング。
ついでにもう一方のベアリングも交換しておきました。
他シンクロやギア等に異常が無い事を確認しミッションを組み上げ完成。
音が止まった事を確認し納車となりました。
今回の修理では、ベアリングの故障と言うことで部品代自体は安く済みましたが、手間がかかったため工賃がそれなりにかかりました。
しかしミッションごと交換するよりも数段安くは出来ました。
今回の故障は、ミッション内のベアリングの破損というものでしたが、走行距離は6万そこそこでしたので、寿命?というにはちょっと早い気がしますが・・。
ではベアリング破損の原因は?と聞かれると、ん~、と答えに困るんですけどね(汗)