お客様からの連絡で、出先でエンジンがかからなくなったとの事。
車は平成3年式のミニキャブトラック(U42型)で今年でちょうど20歳の車になります。
車をレッカーし持ち帰りエンジンをかけると、スターターは回るもののガツンとエンジン内で何かが当たる手ごたえがありそれ以上回りません。
エンジン内の何かが破損しているようで大きな修理になりそうです。
クランクシャフトにレンチをかけ回すとある程度の間隔は回りますが、やはりそれ以上は何かが当たって回りません。
そこで1番のプラグを外し、ピストンが動いてるか確認。
あ~あ、ピストン動いてないわ(汗
推測するに、ピストンのコンロッドが折れてるか何かで、クランクシャフトとピストンが繋がってない状態です。
故障は分かりました。では原因は?
みなさんの予想通りオイル切れです。
お客様によると、1週間まえからオイル警告等が点灯してたらしいです・・・
このエンジンの弱点である、クランクシール、オイルポンプあたりからオイル漏れがあった跡がありました。
ランプがついて時点で連絡もらえれば・・と思いましたが後の祭り。
破損箇所以外にもオイル切れで色々と問題がありそうで修理は難しそうです。
そこで中古エンジンで対応しました。
ちょうど運がいいことに同じエンジンの車両がスクラップで見つかりました。
こちらがドナーです。
軽トラックでは無く箱バンですね(汗
しかもエアコンつきオートマ車。
細かい仕様は違えどエンジン自体は同じなのでいけるでしょう!
で、いつもやってみます(笑)
作業はまずドナーから。
ミッションを先に降ろし、次ぎにエンジンを降ろします。
こちらが移植を待つドナーのエンジンです。
次ぎに患者さんのエンジンを降ろします。
こちらがそのエンジン。
タイミングカバー下がオイルで汚いのがわかります。
タイミングベルトは切れていないもののたるんでいました。
下がこれから乗せる方のエンジン。
今度はオイル漏れが無いように、オイルシール類をすべて新品に交換しておきます。
さていよいよこれからエンジンを載せる訳ですが、その前にひと作業。
この車のラジエターの状態ですが、稲のもみ殻でビッシリ目詰まりしてました。
ちょうどエンジンが降りた状態でラジエターが丸見えなので、ついでに掃除しておきます。
こちらが掃除途中。
裏側からライトで照らすと上半分がまだ詰まってるのが分かります。
上までちゃんとゴミがとれました。
掃除方法は単純に至近距離からエアガンで吹くだけ。
ただエアーを吹き付ける角度が悪いとフィンが折れたりするので注意が必要です。
籾殻によるラジエターの目詰まりは、農家さんで使っておられる軽トラックはでは良くある事例です。
このまま放置しておくと、オーバーヒートの原因になるところでした。
その後エンジンを積みましたが、途中の作業内容は割愛します(笑)
エンジンを載せてから気づいたんですが、こっちのエンジンにはスロットルポジションセンサーが付いていました。
今回は「無い」方に「有る」エンジンを載せたので、特に問題はありませんでした。
逆ならそういう訳にはいかなかったかもしれません。
あと、エアコンの有無や年式の違いにより、バキューム関係等の違いはあれど、ほぼそのまま同じでいけました。
オイル類を入れエンジン始動。
試運転し調子を確認後、整備完了となりました。