1月 162011
前編で紹介したekワゴンの続きです。
ヒーターコアの目詰まりが無いかを目視で確認します。
また、同時にエアコンのエアコンの温度を調整する、エアミックスを点検します。
これは冷たい風と暖かい風の流れを制御し、室内に送られる空気の暖かさを調整するためものです。
と、簡単言ったもののそれを目視で点検するにはちょと大変ですが・・
ダッシュボードやステアリングなどを一式取り外します。
中央に見えるのがエアコンユニット(ヒーターユニット)です。
こちらが取り外したエアコンユニットとヒーターコアです。
エアミックスの方は異常無さそうです。
次にヒーターコアですが、それなりにキレイで流れも良さそうです。
ん~他に原因は何なんだろうか?悩むところです。
そこで餅は餅屋という事で、三菱のディーラーさんに問い合わせたところ、サーモスタットの開く温度設定を高めのに変えたら良いのでは?とのアドバイス。
確かにサーモスタットの開く温度が高ければ、それだけエンジンとヒーターコアの水温が上がるハズ。
そこで先に交換していた新しいサーモスタットを再び取り外し、設定温度を見てみると・・・
あ!・・・
82℃やん(・・ )
この車のサーモスタットの標準設定は88℃です。
部品を注文した者に聞くと、普通に型式などを伝え部品屋から
出してもらったのがコレだったとの事。
このサーモスタットはいわゆる純正品ではなく、社外品でした。
どうやら社外品という事で汎用性があり、形さえ合えば取りつ
けは可能なので、この部品を出してもらったようです。
まさか温度設定が間違った部品を出されるとは思わず、
そのまま取り付けたという事です。
サーモスタットを88℃の物に交換し、ヒーターの噴出し口
温度を測定。
前よりも温度が上がるようになりました。
これにて一件落着となったわけですが、この修理の
件で同業者さんから問い合わせがありました。
その業者さんも同じ車でヒーターの効きが弱い
という事でした。
結論から言うと、うちとは別の原因でサーモスタット
の組み付け方向の間違いによるものでした。
解決策は私がわかったのではなく、質問していただいた
業者さん本人が気づかれ、後日報告いただきました。
上が間違いで下が正しい組み方。
エア抜きのバルブが右側、ヒーターコアへ水が流れる
ホースのつながっている方向に来るのが正しい方向です。
この違いは何かというと、ヒーターコアへ行く通路への
隙間の違いです。
上の写真の組み付けだとサーモスタットの出っ張った部分
が邪魔をし、水の流れを悪くしてしまうようです。
これだけの事でヒーターの効きが弱くなるなんて
思わないですよね。
修理の事を相談してもらったのにも関わらず、
逆に修理のアドバイスをいただき有難い事です。
今回の事で同じ自動車修理に関わる者同士で、
こういう情報交換の輪が広がればと感じた一件でした。