三菱ekワゴンのヒーターの効き不良修理の落とし穴、前編
寒さ厳しい冬を迎えると、毎年のように修理依頼が舞い込むのがヒーターの効きが弱いというもの。
今回ヒーターのききが弱いという事で修理依頼を受けたのは、三菱EKスポーツのターボエンジンの車です。
試運転をしてみると、暖かい風は出ていて寒いほどではありません。
お客様によると去年の冬はもっと熱いぐらい効いていたとの事。
そこで、まずオーバークールを疑って、サーモスタットを交換することにしました。
サーモスタットワックス異常などで開きっぱなしになると、常にラジエターとエンジンを冷却水が循環し、冷えすぎになります。
サーモスタットを交換し、ヒーターの効きを確かめるため試運転へ・・
ん~?ヒーターの効きがもう少かなぁという気が・・・
そこで噴出し口温度を測ってみると
だいたい40度ぐらい。
これが正規の温度か確かめるため、ちょうど同じ型のekワゴンがあったので、そちらで計ると60度!
そうすると、やっぱり効きが弱いなぁ・・・
そうやら他にも原因がありそうです。
果たしてその原因とは何か?
ヒーターの効き不良の原因で、次に多いのがヒーターコアのつまりです。
ヒーターコアとは室内のエアコンユニット内にあり、ラジエターのようなフィンがあるものです。
ここにエンジンの暖かい水を循環させて熱を持たせ、そこにブロワファンで風を送ることにより、暖かい空気を室内に送り込みます。
やってる事はラジエターと同じような事をしてますが、ラジエターはエンジンの熱を冷やすため、ヒーターコアはその熱を利用して室内を暖めるためと目的が違います。
ただ、目的こそ違えど、やってる事は同じなので、良くオーバーヒートした時にはエンジンを冷やす為、ヒーターを全開にすると言うのは、そういう理由からなのです。
前置きが長くなりましたが、このヒーターコアが錆などで詰まると、熱い水が循環せずヒーターの効き不良につながります。
そこでヒーターコアの詰まりを目視で点検するため、ヒーターコアの出口に透明ホースをつなぎ水の流れ具合を点検することにしました。
冷えている時は良く流れているようです。
ところがある程度暖気出来ると、水の流れが弱くなってきました。
ちょうどサーモスタットが開き始めるぐらいの時です。
確かにサーモスタットが開くと、ラジエター側に水をまわすため、ヒーター側への水量が減るのはわかります。
しかし、余りにも送りが少ない気がします。
本来よりもヒーターコアの流れが弱い?
こうなったらヒーターコアを取り外して点検してみるしかなさそうです。
ただ、こうなると室内をバラさないといけなくなりますし大変になりそうです(汗)
続きは後編へ・・