「車庫でドアロックが開かないから見てほしい」とのお客様からの電話。
普通なら電池切れの場合が多いのですが、この車は新車から1年ほどの車で、また「使っていないスペアーでやっても開かない」との事。
車はトヨタのプレミオ(ZRT260)で、プッシュスタートでキーを挿さなくてもエンジンが始動でき、イモビライザー付きです。
ドアロック解除もドアノブに手をかけるだけで自動にドアロック解除できる、スマートエントリーになっています。
これがスマートキーで、ボタンでもロック解除が出来るようになっています。
車庫に到着し、スマートキーを持ちロックを解除しようとしましたが反応無し。
ボタンによるロック解除を試みるもこちらも反応無し。
また、同様のスマートキーがスペアーで付属していたため、今度はこちらで試すも反応無し。
こうなると車両側の不具合かなぁ・・と手詰まり状態。
そこで、トヨタディーラーの技術担当に電話する事にしました。
担当の方に状況を説明すると、「特定の場所で、電波状況によってはロック解除が出来ないという事例がある」との事。
お客様によると、過去にもロックが開かないことが数回あったとの事。
そこで、場所を移動する為に、ロックを開けエンジンを強制始動する事にしました。
プレミオのスマートキーには機械式のキーが内臓され、サイドのボタンを押すと取り出す事が出来ます。
このキーを使いドアロックを開けます。
次にエンジン始動ですが、プッシュスタートなのでキーを差込む場所はありません。
ではどうするかというと・・
このスマートキー本体を、スタートボタンにくっつけます。
するとボタンのランプが緑に点灯。
これでボタンを押すとエンジンが始動できます。
ピタリとくっつける事により微弱電波により通信するとの事です。
ちなみに、この方法はスマートキーの電池切れのエンジン始動方法として、車の説明書にも記載されています。
工場に車両を持ち帰り、ロック解除を試みるも、やはり解除が出来ません。
そこで、念のためスマートキーの電池を交換してみる事にしました。
電池を交換し、ロック解除ボタンを押すと・・・・・
「ガチャ!」
ロックが解除できました!
つまり、フツーに電池切れだったんですね・・・
またスペアーの方も電池を換えると直りました。
ただ、不可解なのは使っていないはずのスペアーまで、たった1年で電池が無くなったという事です。
そこで再度ディーラーに問い合わせた所、スマートキーは相互通信をしているため、テレビなどの電子機器の側に保管していると、使わなくても電池を消耗する事があるとの事。
お客様にキーの保管場所について聞いてみると・・・
「いつもテレビの前の箱に入れているよ」
スペアーは?
「同じ箱だけど?」
原因はこれだったわけですね。
テレビの付近にキーを保管していた事、さらにスペアーまで同じ場所に保管していた事。
二つの原因が重なって、今回の騒動につながったという事例でした。