新型マーチ試乗レビューの続きです。
アイドリングストップは?
今回の新型マーチの目玉とも言えるのが、アイドリングストップ機構です。
アイドリングストップ機構は、信号待ちなどで車が停車した時に自動的にエンジンを停止し、燃料の消費を抑えるものです。
この機構により、リッター26kmという低燃費を実現しています。
エンジン停止していて次に発進する場合には、ブレーキペダルから足を離した瞬間にエンジンが始動します。
この辺は他のアイドリングストップ機構付きの車と同じ仕組みかと思います。
新型マーチに関しても、特に発進にもたつく事も無くスムーズでした。
こちらはエンジンルーム内の様子ですが、アイドリングストップ機構は頻繁にエンジンの再始動を行なうため、通常のバッテリーよりも大きいバッテリーが使用されています。
マーチのアイドリングストップ車のバッテリーはサイズがただ大きいだけでなく、充放電に強い専用バッテリーとの事です。
買うならどのグレード?
新型マーチは発売前に、タイ生産との事もあり超低価格となるのではないか?とのもっぱらの話題でした。
実際に廉価グレードである12Sは、99.9万円という100万を切る価格での発売となりました。
99.9万円のグレードにはアイドリングストップ機構こそありませんが、リモコンキーやホイルキャップなどの装備は備えており、このグレードでも十分問題ないと思います。
ただ、このグレードにはプライバシーガラスのメーカーオプションが選べないという制約があります。
一方、売れ筋グレードとなっているのは、アイドリングストップ付きの12Xで、こちらは約122.9万円です。
12Sと12Xとの価格差は約23万円という事になります。
アイドリングストップ装着車の燃費がリッター26kmですが、無しの車はリッター24kmで、率にすると約8%の差です。
例えば月にガソリン代が1万円かかる人なら、約800円ほど安くなる計算で、年間だと約1万円。
ただし、これはアイドリングストップが頻繁に行なわれる街乗り使用が多い人の場合で、地方などの比較的信号や渋滞などで車が止まる事が少ない地域での場合はそれほど差はないかと思います。
燃費だけの事を考えると、23万円高い12Xの車を買うのは高い気がしますが、インテリジェントキーやイモビライザー、内装外装の細かい装飾の違いなどを含めて、23万アップの価格設定となっているようです。
ちなみにこの12Xのグレードでも、オーディレス、さらにスピーカーレス!となっているので、オーディオオプションを選ぶと5万UPとなります。
結論、燃費で23万円分をペイするのは不可能ですので、単純に安い買い物をしようと思うなら、12Sグレードで十分かと思います。
グレード設定の巧妙さ?
ユーザーによっては、仕事で使うのでアイドリングストップはほしいけどインテリキーやイモビはいらない
その逆に燃費は気にしないのでアイドリングストップはいらないけど、インテリキーやイモビがほしい、という人もいるかと思います。
しかし、どちらもオプションでは選べないため、どちらか一方という選択は出来ません。
いわゆるセット販売的なグレード設定は、新型マーチに限らず、他メーカーの車にでもあります。
ほしい装備のためにいらない装備まで付けなくてはいけない、こういう所はメーカー側の都合でユーザーにとっては不親切だと思いますよね。