峠道の登りを走行中にエンジンのチェックランプが点灯してエンストしてしまう、という事で修理する事となったアルトラパン。
この車のエンジンのK6A型は、ワゴンRなどのほとんどのスズキ車と共通のエンジンとなっています。
まず症状を確認しようと走行しましたが、すぐには症状は出ないようです。
その後、峠道を登り始めたところでエンジンのチェックランプが点灯、その後エンジンの調子が悪くなり、最後にはエンストしてしまいました。
すぐに再始動を試みるもエンジンはかからず。
1分ほど間をおいて始動するとエンジンがかかりました。
これらの症状からこれまでの経験上、エンジンの回転数を読み取るカム角のセンサーが熱により誤作動しエンストを起こしたものと判断。
エンジンのチェックランプが点灯したので、コンピューターになんらかの故障情報のコードが残っていると思い、調べたところ「可変バルブタイミング機構アクチュエーター異状」がでました。
「カム角」じゃなくて?と目を疑いましたが、何度しらべても結果は同じ。
症状的にはカム角で間違いないんだけどなぁ・・
そこでやはりこういう時こそ「餅は餅屋」という事で、スズキのディーラーにその件を問い合わせたところ、「それはカム角センサー異状ですね」との回答。
ではなぜ可変バルブ異状が出るの?と聞くと、エンジン不調を起こした関連でで可変バルブ系統異状とコンピュータが誤認する事がある、との事。
で、肝心のカム角センサーは今回のような場合、コンピューターの記録には残らないとの事。
という事でカム角センサーのフロント側を交換します。
フロント側はエンジンの1番シリンダー側にあります。
わざわざフロント側と言う理由は、このエンジンにはカム角センサーがフロント、リヤと2つ付いているためです。
部品的には同じものを使用していますけどね。
ちなみにリヤ側のカム角センサーが故障した事が過去にあったんですが、その場合エンジンのチェックランプは付くんですがエンジンの不調などはなぜか起こらないようです。
今の車はコンピューターが故障箇所を記憶してくれるため、故障箇所の特定に役立つ事が多いです。
でも今回のようにコンピュータの情報をそのままうのみにすると、間違った判断をしてしまう危険性があります。
そういう意味では今のコンピューター制御の車の修理でも、経験というのは必要なんだなぁ、と感じさせられる修理となりました。