ホンダバモス走行時の異音修理
入庫したのはH13年式のHM2型バモスの4WDで、走行時に変な音がするので見てほしいとの事でした。
試運転してみるとリヤの足元の方から「キコキコ」という音が聞こえました。
ただその音はいつでも出ているのではなく、アクセルを離した減速時にしかせず、さらに速度に合わせて音が出る早さも変化します。
速度により音の速さが変化する事から、プロペラシャフトなどの駆動系から音がしている感じです。
まず一番あやしいと思われるプロペラシャフトのジョイントを点検するも異常なし。
リフトアップしタイヤを空転させて音を確認すると、例の音は全くしません。
どうやら実際に走行した状態でないと音が再現できないようです。
そこで登場するのが異音検知器なるものです。
この機械には小さい集音マイクが4ついていて、それぞれのマイクの音を個別に聞くことが出来ます。
そのマイクを音が出そうな箇所にセットし、異音の発生箇所を特定するというものです。
車両をリフトアップし音が出そうな所を順番にマイクをセットし試運転を繰り返すわけなのですが、なかなか音の出どころにヒットしません。
ようやく右のリヤの足回りという所までは絞り込めたので、そこを重点的に調べます。
普通に考えるとベアリングかなぁと思うんですが、どうもベアリングでは無さそうです。
まさかなぁ・・とは思いつつも、ドライブシャフトのジョイント部にマイクをセットし走行すると・・・
出ました!ついに音の場所が特定できました!
どうやら音の発生源は左のリヤのドライブシャフトの外側のジョイントのようです。
試乗を何度も繰り返し音の原因にたどりついたところで、ようやく修理に取りかかりました。
まずはリヤデフのマウントを取り外し、デフの方をずらしドライブシャフトのインナー側をデフからを引き抜きます。
次にジョイントのアウター側のハブナットを緩め、ハブからアウター側を引き抜き取り外します。
こちらが取り外したドライブシャフトですが、ブーツの破れやジョイントのガタも無く見た目上まったく問題は無さそうです。
新しいドライブシャフトを組み付けた後、試運転を行ないましたが例のコツコツ音はキレイに消えていました。
ドライブシャフトの異音で良くあるのは、前輪駆動車のフロントで使われている物が、ブーツの破れにより水などが入り、旋回時にカタカタという音がすると言う物です。
しかしリヤで使われているもので、しかもブーツの破れも無いものにジョイントがおかしくなるというのは、これまで経験した事がありませんでした。
そのため今回の修理では音が出ている箇所は分かったものの、実際に交換してみるまで本当に直るのか半信半疑的なところがありました。