走行中すると、うなり音がすると言うことで入庫した、スズキエブリィバン(DA64系)のマニュアルミッション車。
いつものように試運転をしてみると、音感じではベアリング関係に異常がありそうです。
普通なら足回りのハブベアリングが破損している事が多いのですが、調べていくとどうやら足回りでは無さそう。
そうなると後はミッションかデフか・・
次は車両をリフトアップ、し車輪を空転させ調べてみます。
どうやら音の原因はミッション内である事が判明。
さらに音の種類から推測するに、ミッション内のベアリングに異常がありそうです。
原因がベアリングなら部品としては高価な物では無いため、中古を探すより、ミッションを分解修理する事にしました。
まずミッション本体を車両から降ろします。
おっとその前にミッションやトランスファーのオイルを点検。
トランスファーのオイルを抜くと銀色の粉のようなものが・・・
おそらく何らかの部品の鉄粉。
ミッション内の異常は間違いなさそうです。
前置きが長くなりましたが、ようやくミッションが降りました。
この車両は4WD車なのでトランスファも一体でミッションにくっついてきます。
トランスファーのベアリングなら簡単なのになぁ・・とほのかな期待を寄せつつミッションを分解してゆきます。
すると分解を始めてすぐに、ミッションケース内からありえない大きさの鉄片がゴロゴロと出てきました。
ありぁ~結構ひどい事になってるなぁ・・・
ひとまずトランスファーケースをオープン!
こちらからも鉄片が出てきました。
写真で見えるのは4WDと2WDを切りかえるギアと、動力をフロントプロペラシャフトに伝えるチェーンです。
ここから更に分解を進めてゆきます。
以前に同じスズキの軽トラックのミッションを分解修理した事があり、今回も同じ手順でいけるよね♪と高をくくっていたのですが・・
なんと同じスズキの車でもミッションの構造が全然違う事が判明(汗
そこで修理書資料を取り出し分解を再開したのでした。
分解を進めて行き、トランスファーケースを完全に切り離した時点で原因が判明。
アウトプットシャフトを支えているベアリングがガタガタでした。
おまけにベアリングのボールまで転がってくるしまつ。
ここまでひどいとは思いませんでした(汗
こんな状態のベアリングにも関わらず走れていたのは、このアウトプットシャフトを支えるもう一つのベアリングがあったためです。
それは写真にあるギアの奥側のベアリング。
こっちも先のベアリング程では無いにせよ、ガタが出始めていました。
ケースから取り外すと良くわかります。
このベアリングですね。
こちらが先に話をしていたバラバラになったベアリング。
シャフトにはインナーレースしか残っていない状態です(汗
こちらがトランスファーを分解した全体像。
ミッションからのアウトプットをトランスファーケース内のシャフトにつなぎ、チェーンでフロントプロペラシャフトに伝えます。
こちらがトランスファーケース側のベアリングです。
これがバラバラになっていたベアリングの元の姿です。
ベアリングを交換し、元通りに組み付け修理完了。
試運転するとイヤな音も無くなり静かになりました。
それにしても修理は完了したものの、ベアリングがあそこまでバラバラになる原因は良くわかりませんでした。
オイル管理?いやいやベアリングの破損に関してはオイルとは無関係なハズです。
ちなみに破損したベアリング自体は、どこのメーカーも使ってる日本の最大手のメーカー品でした。
そういえば以前修理したトラックに続き今回もスズキ車だった事を考えると、スズキ車のベアリングは壊れやすい何らかの理由があるのか?!と勘ぐったりします。
そういえば足回りのハブベアリングもスズキ車が一番修理する事多いような・・・
ん~謎(笑)
Sorry, the comment form is closed at this time.