入庫したのは日産スカイラインV30型でエンジンはV6の2500ccです。
症状は加速してもエンジン回転数が3000rpmぐらいまでしか上がらなくなっていました。
アイドリングや3000rpmまでの吹け上がり具合には問題が無いようです。
推測するにエンジンコンピュータが、何かの異常を検知し、フェールセーフ(安全機構)のため、わざと回転数を上げないよう制御しているようです。
そこでさっそく外部診断機を接続し異常が無いか確認。
すると「スワールコントロールソレノイド」の異常という、あまり聞きなれない部品の名称が出てきました。
スワールコントロールを調べてみると、低燃費を狙い薄い燃料でもエンジンを回せるリーンバーンエンジンに使われている機構で、強い旋回流を発生させ点火しやすい状態にするようです。
スワールコントロール自体はアクチュエーターで動作し、アクチュエーターのバキュームを電気的に制御するのが、スワールコントロールソレノイドバルブという部品になります。
説明が長くなりましたが、この部品自体は単純な物で、入ってきたバキューム(負圧)を通すか大気圧を通すかを切り替えてるだけなので、このような部品は他にもさまざまな用途で使われています。
ソレノイドの場所はエンジンのタイミングカバーの前にあり、写真では2つソレノイドが見えますが、タイミングカバー側がスワールコントロールを制御するソレノイドになります。
外した部品がこちら。
大気圧、負圧の入り口が2つに、アクチュエーターに行く出口が一つの単純な部品です。
ソレノイドバルブを交換、あとついでにこのエンジンはカーボンが非常に溜まりやすいので、インマニとスロットルボディを清掃しておきました。
その後試運転に出かけ、症状が改善されている事を確認し納車となりました。
もし今回の故障がアクチュエーター側の動作異常だった場合は、インテークホールドASSYしか部品供給が無いようで、非常に高額な修理代になっていたかもしれません。
今回はソレノイドの電気的な故障という事で、たまたま診断機で見つけることが出来き、また修理代も安くすみ良かったです。
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