今回修理依頼を受けたのは、ホンダモビリオGE2型の4WD車で、お客様によると後席に人を乗せていると音がすると言われたとの事です。
また発進時にも音、旋回時にもリアから音がするとの事です。
とにかく色々な音がしているようで、原因は一つなのかまはたまた複数なのか・・
車をお預かりし試運転してみると、発進時にドドッという振動が。
ここまでの時点で同業者ならすぐにピンとくるアレです。
ホンダの初期型フィットやモビリオ(特に4WD)で多い、スタートクラッチのジャダ振動です。
この車両の方の年式はH18年式。
今が23年なので、普通の保障期間は過ぎてますが、ジャダの方は延長保障が効くため、こちらはディーラーさんにお任せし、無償修理してもらう事になりました。
さて次の音ですが走り出し50キロぐらいになると、後ろの方からうなり音が聞こえてきます。
感覚的にはリアのベアリングがダメそうです。
工場に持ち帰り車両をリフトアップし点検。
右のリアのベアリングが原因と特定。
部品を取り寄せ後日修理となりました。
まずは右リヤのタイヤを外しブレーキハとハブを分解
次ぎにドライブシャフトを抜く必要があるため、リアデフオイルを抜きます。
で、ドライブシャフトを抜くわけですが、この車両はそのためにリアデフを降ろす必要があります。
完全に外すと手間なので、ドライブシャフトのインナー側が抜けるまで、中釣り状態でデフを降ろします。
ちなみにミギリアはマフラーが邪魔なので先に外しておきます。
ドライブシャフトのインナーが抜けたので、次ぎにアウター側をベアリングの入っているキャリアハブごと外します。
こちらが取り外したドライブシャフトとベアリングキャリアハブ。
配線が出ているのは、ABSのセンサーごと取り外したため。
本来なら(修理書通り)ならABSセンサーは先に取り外すんですが、錆などによって必ずといっていいほどセンサーを壊してしまいます。
そのため私の場合、センサーは出来る限り外さないように分解するようにしています(そうしないと余計な出費が増えますしね)
プレスでドライブシャフトとベアリングを切り離します
そしてスナップリングを外しプレスでベアリングを抜き取り、新品と交換します。
こちらが新品のベアリングの裏表。
なんで裏表が有るかと言うと、実はベアリングにABSの信号を読み取るエンコーダーが組み込まれているため(写真下の茶色い部分)裏表を間違えて組むと、ABSの警告灯が点灯!という事になっていまいます。
茶色い部分が有る方がABS側(内側)です。
まぁ、これもフィットなどでもよくあるミス事例として紹介されていますね。
ベアリングを組み付け、後は分解手順と逆に組み付け完成。
最後にホンダ純正の4WDデフのいわゆるデュアルポンプシステム用フルード(オイル)を、リアデフに入れます。
試運転をし走行時の音が止まっている事を確認し納車となりました。
おっと、そういえば旋回時の音の話が出てなかったですね。
実はこの音(コレもフィットなどのホンダ車特有)は4駆リアデフのフルード(オイル)を替えるとほとんどが直ります。
今回はリヤベアリング交換の過程で、いやが応にもオイルを替える必要があったため、ついでに直してしまったと言う事です。
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