H5年式HA4型ホンダのアクティストリートがエンジンの不調で入庫。
パッと見た感じでは3気筒あるうちの1気筒がいわゆる死んでいる状態のようです。
エンジンを回してみると、明らかに吹けが悪いです。
不調の原因気筒がどれかを調べるため、まずは基本のパワーバランスチェックです。
結果は2番シリンダーが不調の原因のようです。
次に診るのが点火系。
プラグ、プラグコード、ディストリビューターとも異常は無さそうです。
こなると後は圧縮抜けかぁ・・・
コンプレションゲージにて2番シリンダーの圧縮を測定。
するとコンプレッションは、ゼ、ゼ、ゼロ~・・・
このエンジンに良くありがちな、ヘッドガスケット抜けによる圧縮漏れなら、完全にゼロって事は無いはずです。
ん~これは、バルブが逝ってるかも(汗
とは言っても実際にバルブを見ていないので、確証がとれている訳ではありません。
という事で分解開始です。
分解を始めて数時間後、シリンダーヘッドがエンジンから降りました。
バルブがどうなっているのか?!ではその裏側をいざ拝見。
結果は、あ~やっぱり。
2番シリンダーの排気側のバルブの一本が欠けています。
もしかしたら溶けているのかもしれませんが。
これでは圧縮はゼ~ロですね。
問題のバルブを外します。
外したバルブはこちら。
破損断面はこちらですが、溶けてるのかなぁ・・って気がしますが。
昔、三菱の5バルブの軽のエンジンのバルブが溶けた事がありましたが、ホンダのエンジンでは初めての経験です。
原因が分かったところでお客様と相談。
結果は修理となったのですが、古い車なのでそんなにコストはかけられません。
そこで、破損しているバルブと同じシリンダーの排気バルブと、合わせて2本だけ交換しました。
本当は全部替えたいわけですよ。
でも排気側だけでも全部替えたら、18000円の部品代です。お~高っ(汗
で、バルブを交換しすり合わせをスリスリし組み付け、エンジンを元通り組み付けます。
組みあがったところでエンジン始動。
ホンダエンジンならでわの軽快な吹き上がりが蘇りました。
ところで肝心な原因は?と聞かれると、ハッキリとは言えませんが、バルブ廻りにすごいエンジンオイルのカスと思われるものがこびりついていたので、その辺がバルブに悪影響を及ぼしたとか・・
でも同業者さんの話では、同じエンジンのライフでも同様なことがあったわぁ~との事。
修理は出来ても、なぜなったのか?という原因追究は本当に難しいものですね。
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